研究所のあゆみ・主宰プロフィール・参加者アンケートより




 ◇マザー・アースアーティストラ&
  研究所のあゆみ



(長らく通わせていただいております人権のまちづくり館の皆様からいただきました。)


 

発足までの経緯

  私は31年前教育大学卒業後、福岡市西区の小学校に赴任し、地域の皆様から教育・啓発について多くを学ばせていただきました。結婚後つれあいと「この校区にぜひ住みたい。」という思いを固め、この地域にご縁をいただいて子ども3人が成人しました。

この校区では当時から公民館・地域・学校の組織が連携して様々な取り組みが行われていましたが、校区に人権・文化サークル「みなみかぜ」が結成されたのに連動して教職員人権バンド「すきまかぜ」を作り積極的に表現活動を続けました。その後職員は異動により職場は分かれますが当時から活動を続けているメンバーに社会人や行政の方が加わって“マザー・アース・アーティストラ”という名称をつけて現在活動を続けております。

 私は大学卒業時にオカリナに出会い、土笛のちからに魅せられて啓発の場面でオカリナ演奏と語りによる人権コンサートの形式をとることが多くなりました。この場合のスタイルは音楽表現をベースとして多彩な映像やプレゼン・語りによって聴衆の感性をゆさぶり、人生経験や既成の認識と再度向き合わせるもの、そして科学的認識と人権文化の向上・推進にむけてヴィジョンを提供するものとなります。そこには壱岐南校区をはじめ福岡県内外から私が学ばせていただいた民衆の歴史・人権文化拡張のあゆみや先住民族の長きにわたる英知のエッセンスが綯い交ぜられています。
 また、「学校の先生にしてはうまい。」という評価をいただいてきましたが、ここ数年間、土笛の音にふれるどのような人をも感度させる演奏まで高めたいという願いのもと、世界中で活躍されておられるオカリナ奏者から薫陶をうけました。


 これまで小学校教諭として多くの子どもたちやご家族と向き合ってきましたが、社会教育・生涯学習の分野からの依頼が増え、よりよい質をもった啓発活動を行うためにこの春、教職を辞しこの仕事に専念することといたしました。今後はさらに地域の皆様から学び、そのニーズや課題に応えられるよう努力を重ねて参りたいと思っております。



 ◇主宰プロフィール



マザー・アース人権啓発研究所主宰

マザー・アースアーティストラ代表  山口裕之   

             

福岡市立城西中学校・福岡県立修猷館高等学校卒業。
 ○バレー部主将。吹奏楽コンクール九州大会金賞受賞、アンサンブルコンテスト九州大会金賞受賞、第1回定期演奏会開催。

福岡教育大学(教育学部小学課程社会科専攻)卒業。
 ○管弦楽団;コンサートマスター、日中友好オーケストラ北京公演・万里の長城で第九を演奏。ドイツミュールドルフ市にて空手演舞・民族音楽ファミリー演奏披露。卒業時にオカリナを手にする。

福岡市立小学校に31年間勤務。
 ○同和教育推進教員、福岡市同和教育研究会「授業と学力」専門委員長、福岡市教職員組合教宣部執行委員、福岡教育文化研究所事務局長、同集団づくり探求プロジェクトチーム顧問、同基礎講座担当として子どもを中心に据えた教育内容の創造に努め広く他団体とふれ合う。詩作・作曲・エッセイ投稿等の文筆活動を続ける。
 
 

 ○地域の歴史や民衆の生産と労働の姿や人権文化向上の事実を教材化し表現活動に結ぶ実践を多数創造する。福岡県内外の学校・教職員研修会に講師として招聘多数。全同教大会・全国教育研究集会に推薦され報告する。
  

福岡県人権問題をはじめとする人権問題に係る啓発・研修講師団講師。
 福岡県人権研究所啓発部員・出版委員。
 社会福祉法人柚の木福祉会監事。
 日本・ベトナム友好協会国際交流部門事務局長。
 福岡市日中友好協会副会長。
 福岡教育文化研究所事務局員。
 福岡市地域人材バンク・福岡市人権啓発センター講師
  こだま解放学級専属講師
  オカリナサークル講師

 第9回日本オカリナコンクール「2位(1位なし)」受賞




1999.~   ソウル市にて路上演奏会開催。
      ハノイ大学日本語教室開設記念コンサート
      RKBラジオ「林田スマのほっとエナジー」、
      KBCテレビ「アサデス」、
      FBSテレビ「めんたいワイド」、
      RKBラジオ「ウイ・ラブ・ヒューマン」出演。
              朝日新聞・毎日新聞掲載。

2006.~  ベトナム枯葉剤被害調査団として来訪を重ね、ベトナムツーズー病院で慰問演奏・ベトさんと対面。国内のベトナム民族合奏団演奏活動支援を続ける。
2009.~  オカリナ演奏・音楽表現について中里尚英・大沢聡両氏に薫陶を受け
      る。
 マザー・アース・アーティストラ結成、マザー・アース人権啓発研究
 所設立。

2017.~   31年間務めた小教諭を辞し、講演・研究活動に専念する。





アクロスシンフォニーホール・キャナルシティ博多サンプラザステージ・福岡空港ロビー・国際会議場演奏会・日本楽器店頭コンサート、
ハノイ大学・中国領事館友好交流演奏、
市民センター人権講座、
各地域人権尊重推進協議会・PTA人権講演会、
小中学校・保育園子育て人権講座、
平和・共生・国際親善コンサート、
寺院・教会笛説法コンサート、
オカリナ・ヒーリング・カフェ
   
                         等

 各地域・団体の課題とニーズに応じた人権コンサートと地域諸団体支援活動を展開中。







 
◇著書等

『いのちのうた』(CD付詞画集・ボウオフィス) 
『いのちの原風景』(CD/DVD/カラオケ伴奏つき楽譜集・ボウオフィス)
『部落史発見』(共著・福岡市同研) 
『展望をさぐる』(共著・福岡県同教) 
『より豊かな部落問題学習の創造にむけて』(部落解放史ふくおか第86) 

 映画『椿水路物語』(60分・福岡市早良の郷土史の教材化)制作


◇参加者アンケートより


○これまでいろいろな人権講演会をきいてきましたが、山口先生のお話は「北風と太陽」でいえば、太陽のようなものですね。音楽と豊富な映像そして受けとめ方が限定されていないやさしいお話に聴き入っているうちに、いつしか自分と向き合い、私たちが生きるうえで大切なことは何かについて考えさせられていました。

○知識だけでなく感性にうったえて社会の事象の本質に出会い直させ、科学的認識につなげる構成・手法に感銘を受けました。「音楽を通して学ぶ民衆の姿・部落問題学習」には独自の魅力と説得力がありました。

○現在の自分やわが子の姿をありのままに受け入れ、その個性や輝きをみつめることができました。そして山口先生のお話や演奏から私たちがいつしか縛られていた“あるべき自分”を超えて“なりたい自分”をみつめさせるビジョンをいただきました。

○山口さんのオカリナ演奏からは私たちが行き着くべき世界を追求しようとする強い意志を感じます。一人もおきざりにすることなく一緒に手をつないで一歩を踏み越えようとする勇気をいただきました。

○“マザー・アース”の意味につながるような、大地に根ざす響きや香りを山口さんのオカリナとバンドの演奏から受けとめられた気がします。深く私たちの感性を耕す投げかけを受けとめ、明日からの活力にします。


〇素晴らしい講演会でした。様々な人権についての話にふれつつ、幸せになること、住みやすいまちづくりをすることが人権問題の解決につながるのだという説得力ある講演会でした。   

〇ただじっときくということだけではなく、手話あり、歌ありの活動であっという間に時間が過ぎました。自然と自分が「考える」ことに向けさせられたお話の手法は印象的でした。他の内容でも再度先生の講演をお願いしたいです。